「なつメロ」というコトバ・・・・
温故知新、なんて言葉がありますが未来にのびる時間軸もそれは単に過去の延長線上に
すぎません。過去を知ることが未来への羅針盤たり得るのです。歴史を勉強する意義はここ
にあると思います。
・・・・・・・・・・・・・・日本の「昔流行った」歌のことを「ナツメロ」といいますよね。でも私はこのコ
トバにはいささか抵抗があるのです。以前のこのページでもこの「ナツメロ」というコトバはわざ
と使用していなかったのです。ですから私のHPはサーチでキーワードを「ナツメロ」としてもヒッ
トしなかったと思いますね・・・・・・・
(因みに「流行歌」だったらヒットしたかも・・・)
使わない、といいながら3回も使ってしまいましたが、「ナツメロ」(また使ってしもうた・・)とは
「懐かしいメロディー」の略です。ま、誰が使い始めたかはともかく、「懐かしい」とは形容詞です。
したがって基準となるタイミング(定点)が必要です。
だけど最近では「いつ」から以前が「懐かしい」かという感覚が変わりましたね。世の中のサ
イクルが短く(早く)なったせいもあるでしょう。割り箸に代表される「使い捨て文化」のわが国に
あって流行歌の世界も割って用が済んだら棄てられる「割り箸」の如く寿命が短くなったのかも
知れません。
とは言え、食事をするとき必ず割り箸を使うとは限りませんね。(例えが悪いな・・)良いものは
たとえ一度「割って捨てられて」もそれを掘り起こす人がいなくたって自分自身のチカラで必ず甦
ってきます。それが『名曲』たる所以なのです。
でも・・・・「ナツメロ」に代わるいい表現はないかな・・・・
というわけで、
いろいろ考えてみましたが・・・・「古典的歌謡」、まだまだ流行歌自体の歴史は浅いですし・・・・・
「歌謡曲オールディーズ」、何となく取って付けたようなネーミングだし・・・・・「ヴィンテージソング」、
エッセンスは出ているような気がするけれどチョットカッコ良すぎ・・・・・・・で、結局「ナツメロ」に代
わる適当な候補はなさそうです・・・・・
(でも私は使わない・・・・・)
このサイトでは、
昭和の60余年がターゲットです。だけど昭和30年代半ばを境界線に分けています。理由は音
楽的にも或いは録音技術的にも、またレコード業界自体の在り方まで「異なる」からです。
今思えば20数年前偶然朝日放送の「日曜ナツメロ大行進」(今でもやってんのねっ)で「白蘭の
歌」を聴いてこの世界にどっぷりハマり込むことになったのですが、当時このような放送で「ナツメ
ロ」といえばSP時代、つまり昭和30年代前半までを指していたように思います。
昭和史は「レコード文化」史であると私は思います。(「割って捨てる」文化という意味ではありま
せん。為念・・・・・)つまり歴史の裏にレコードあり、逆に言えば大衆歌謡が昭和史を支えてきた、
という時代背景もあると言えます。(レコードに表裏があるように歴史にもオモテ/ウラが存在しま
すよね・・・・・単なる偶然の一致ではなさそうですが。)そのレコードがCDに取って代わるのが昭
和62年頃、つまり昭和の終焉でもあるのです。
歌は単なる文化史の側面であるばかりではなく、貴重な「歴史の証人」でもあります。特に戦前
戦中のいわゆる「戦時歌謡」にその傾向が強く見られます。
「戦時歌謡」とは当時の国策に沿って発売された「流行歌」の総称です。したがって“現在”の観
点でこれらの歌詞などをみると不適当な表現など散見されます。しかしここでは「証言」としてその
まま載せています(実際にはほとんど掲載していませんが)。これは私個人の考えでそうしていま
すので「不快だ」という方は読み飛ばしてください。
また、「ウタ」を扱うサイトである以上、歌詞や曲を紹介しないと知らない人には“チンプンカンプ
ン”ですよね。しかし歌は「著作物」でそれには「著作権」が必ず存在します。JASRACに支払う
(べき)著作権使用料が惜しいというわけではありませんが、個人レベルのHPでは「カネ」を払っ
てまで公開する必要はないとの判断から、@曲は一切紹介しない(つまりコトバだけで無音です)、
A歌詞は必要最小限の「引用」にとどめる、ように配慮しています。
で、このサイトを通じて何をしたいのか
・・・・・・と言われても困るわけですが(だったらサイト開けんなー・・というツッコミは無しにしてね)、
いろいろと昭和の流行歌(チョット範囲を広げてPRソングやTVドラマやアニメ主題歌なども)を聴
いていてフト気付いたのは、今我々が良く聞くいわゆる「なつめろ」と呼ばれるウタ、ここでは敢え
て昭和3〜64年全ての曲・・・以外にも結構イイ曲が埋もれているコト。
歌が世に出た、売れなかった。なんでだろ(○○&××ぢゃないけれど)・・・・・・
いったん忘れ去られてしまっても時代が変わり、ニンゲンが変わると同じモノでも受け取り方が変
わりますね。案外覚えている人がいると何かの拍子に(或いは計算されたタイミングで)“浮かび上
がって”きたときにたまたまフィーリングの合う人がうまく捕まえることが出来れば目出度く「復活」、
と相成るわけです。
ヒット曲は全体から見れば氷山の一角にすぎません。ノンヒット曲はたまたま運が悪かっただけ、
そう思っています。そう言った曲の「復活」の手助けになれば・・・・というのがこのサイトの狙うとこ
ろです。(ちょっとオオゲサだけど)
私は、というと・・・
「オリジナル音源」マニアでして、SP時代歌謡であってものちのち再録されたものや、MIDI化された
ものにはあまり興味はありません(多くのMIDIを扱っている方には大変失礼ではありますが)。たと
えばケータイ、使ってますけど着信音にいわゆる“着メロ”などと言うモノは使用してません。「ぶーん」・・
とバイブするだけの味気ない電話ですわ・・・・・
オリジナルに拘るのはそれなりの理由があります。やはり多くの歌手によって歌い継がれるヒット曲
も、或いは残念ながら日の目を見ず「埋もれてしまった」曲であっても「創唱」にまさるもの無し、という
考えです。特に流行歌に於いては詞・曲・歌唱が三位一体となって初めて「作品」だと私は思っていま
す。(だから着メロなどというモノには反感を持つワケです)
・・・・・というわけでプロフィール(モチ私の←他人の書いてどーする)をば
| なまえ | TAT |
| 住んでるところ | 大阪南部 |
| 生まれ | 昭和30年代の終わりの方 |
| 初めて手にしたレコード(SP篇) | コロムビア 100201 濱辺の歌/ヴォルガの舟唄 |
| 初めて買ったレコード(EP篇) | CBSソニー SOLB 352 木綿のハンカチーフ/揺れる愛情 |
| 影響を受けた SP歌謡 |
上にも書いてるけど 「白蘭の歌」(昭和14年) |
| よく言われること | 「落ち着きがない」 |
| レコードは何処で手に入れるか? | 主に中古レコード店、たまにネットオークション |
| 好きな歌手 | 藤山一郎・東海林太郎・伊藤久男・二葉あき子・淡谷のり子・渡辺はま子・灰田勝彦・霧島昇・・・・以下略 |
−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−#−♪−
「ナツメロ」(まだ使ってる・・・・)の未来は・・
昔「ナツメロは過去の栄光にのみ生きる」とおっしゃった方がいましたがとんでもない話です。もしそ
うなら昔の歌などとうに忘れ去られている筈です。SP復刻盤などのレコード・CDが発売になることも
ないでしょう。
「静かなるブーム」ではあるのですが、(実はその辺が私にとって非常にビミョーな所でして、「大ブレ
イク」して世に認められても・・・・・という部分もあるわけです)SP時代の日本の歌を研究されている方
には私よりもずっとお若い方、たくさんいらっしゃいますし、私の所よりずっと「中身の濃い」内容のサイ
トも数多く存在します。
まだまだ『埋もれた名曲』が数多くあるわけで、その意味では未来は・・・・・明るいんとちゃう?(割といい加減・・・)
「ナツメロ」(いい加減にしろ・・・・)の魅力を次世代に伝える・・
では過去の流行歌を研究されている人たちにとって「SP時代の歌」の魅力っていったい何なのでしょう・・・・・
戦後の一時期まで録音は(特殊な場合をのぞいて)マイク1本のイッパツ録りで行われていました。つ
まりオーケストラが失敗しても、歌い手がしくじっても「やりなおし」なのです。ひどいときには指揮者のタ
クトが振り下ろされた、そのタイミングが合わなかったときもあったそうです。ですから現在とは比べもの
にならない位緊張感は高かったと思います。
そして単純な(というかストレートというべきか)リズム、すなわちこれは人間自身の持つリズム−−つま
り心臓の鼓動−−に近い部分があると思うのです。これがこの上ない「癒し」たり得るのだと信じています。
同時一発録音の程良い緊張感、そして“癒し”・・・・・
緊張と癒し、この相反する二つが粗野だけどバランス良く均衡を保っている音楽がSP時代流行歌では
ないでしょうか。多くのSP時代歌謡研究家・懐メロファンの皆さんはこのあたりに惹かれたのではないかと
思うわけでありますが。
でも
まぁSP時代の流行歌なんて所詮“過去の遺物”には違いないのですが、ねぇ・・・・・
SP時代の流行歌はどう聴くか?
では“実際に”SP時代の曲を聴くにはどうすればよいのでしょうか?ってそりゃSP盤をさがせばいいのサ・・
なんて一言で終わらせちゃ意味がないのでいろいろ考えてみました。
@・・・と言いつつSP盤を探す
骨董市やフリーマーケットあたりでSPを扱っている人(店)を捜してみましょう。数は少ないですが意外といるものです
開催日はほぼ決まっていますから(例えば○曜日、毎月×日、☆のつく日・・など)足繁く通うのがポイントです。
ASP復刻のCD・LPを探す(1)
SP生産終了から40年以上を経た今、「当時を懐かしんで」復刻盤を買う人は少数派だと思います。特に戦前の曲
などは「研究資料」や「新しいフィーリング」で買われる方が多いんじゃないでしょうか。
と、いうこともあってこの10年くらいの間に出た復刻盤はヒット曲中心のものより「一歩踏み込んだ」視点での選曲が
なされているようですね。ただし復刻盤はC社V社あたりがメインで他社(特にP社K社あたり)はあまり出ていないよう
です・・・・・・・
ASP復刻のLPを探す(2)
(1)と似ていますが1975(昭和50)年頃レコード発明100周年を祝って各社からSP時代の復刻盤が出ていました。
この時は戦前からあった各社から出ていましたので(ちょうどこのあたりで各社とも創業50周年の節目でもあった)
かなりの数が出ました。で、この時のレコードが中古店で出回っているモノがあります。(ただし数は少ないです)
・・・・・・・
(SP盤が発売された当時は)問題なくとも今現在商品として世に出せない“語彙”がタイトルや歌詞に含まれているもの
が少なくなく、また著作権などの権利関係が複雑かつ不明点が多く復刻盤制作には何重もの障壁があるのも事実のよ
うです。
★★★
テナテナ訳で少し真面目に「流行歌」について、考察・・・・・
流行歌って?
われわれにとって流行歌って何なのでしょう。その答えを出す前に「流行歌」の定義をしておきましょう。
でも「流行歌」というコトバは極めてあいまいです。流行っている歌が「流行歌」なら江戸末期の「かっぽれ」
だってそうですし極端にいえば平安時代の「催馬楽」だってそうだと言えるかも知れません。
あまり気の遠くなるようなハナシもなんですから独断と偏見で定義しておきましょう。(あくまでも個人的に、ですが)
@ 口伝えではなくメディア(レコード・ラジオ放送など)で流布した曲
A プロによる作詞・作曲がなされた曲
@Aから流行歌の第一号は大正3年の「復活唱歌(別名カチューシャの唄)」になると思います。ただ大正
時代と昭和以後ではレコードのメディアとしての位置づけがやや異なりますが・・・・・。
流行歌の黎明
いま「流行歌第一号」は復活唱歌だ、と書きました。この時点ではレコードは「流行っている歌」を取り上
げているに過ぎません。この体制が変わるのは(つまりレコード歌謡を流行らせる、になるのは)昭和にな
ってからのことでその間の“黎明期”とも言える大正時代はこのサイトでは対象外(シャレではない)として
います。大正期の流行歌が嫌いだ!・・・と言うのでは決してないです(先言っとこ)。私のフィーリングに合
わないだけです。(それをキライと言うのではないか・・・・そうかも)
・・・・・でココ何を書くんだったっけ?
レコードは高かったのか?
ここでレコードの価格を他の物価と対照してみましょう。まずはグラフをご覧ください。
注:タテ軸の単位は円。昭和23年以前は1銭=1円と換算

戦争末期コーヒーが高いのは豆が輸入できず貴重品扱いだったからです。
ちょっと価格差があってグラフからはわかりづらいのですがコロッケとの比較では
昭和30年代では(つまりSP末期時代)レコード300円で7〜10円だったコロッケの約3〜40個分、
カレーライスとの比較では当時100円くらいでこちらは3食分となりコロッケ対の比較では現在のほ
ぼ3倍高かった(コロッケ80円として)ことがわかります。
ただ40年代以降他の(特に食料品)物価上昇に比べ上げ幅が小さかったことで他の物価に「追い
つかれた」だけかも知れませんが・・・・・・。
著作権のお話・・・・
さっきチラッと触れましたが他人の著作物を扱う以上、「著作権」について私なりの考えを書いて
おこうと思います。流行歌に限って言えば(厳密には全てに言えるが・・・)著作者の没後50年は
著作物は保護されます。つまり著作権が「活きている」間は権利者に無断で著作物を第三者に譲渡
してはならない、とされているワケです。
(もう少しツッ込むと、流行歌のようなレコード作品などでは編曲・演奏といった分野にも「著作隣接権」
があって複雑に絡んでいます)
ここには断りがあって「有償・無償を問わず」とあります。例え親しい間柄であってもテープやMD
などを貸し借りすると問題になる、ことになりますね。(最近の判例では親しい間柄ならOKとありま
すが、ここでは“同居の親族”程度だと認識した方がよいと思います)
結構皆さん自然に(録音物の貸し借りなど)されているようですが、このあたりが音楽産業全体の
“冷え”に一役買っていることにもなります(間接的に、ですけどね)。
で、このサイトでは「私の歌謡“変”歴」として流行歌リストを挙げておりますが、SP時代の曲の95%
以上は復刻盤として世に出た、比較的容易に入手できた物ばかりです。たまにメールなどで「これこれ
の曲をダビングして・・・」と頂きますが基本的には100%お断りさせていただいております。
これは決してコレクションを出し惜しみしているのではなく、上記理由によります。
所謂復刻盤として世に出ている曲はこの著作権をクリアした物ですが、「クリアできない」曲をどのよ
うに埋もれさせず遺していくかがわれわれの懸案であり課題でもあるのです・・・・・・
最後に・・・・
当サイトを「リンクしてやろう」と仰るサイト管理者の方、ご自由にリンクなさって下さい。その後
「リンクしてやったゾ」とメールなりいただけましたら結構かと存じます。
|